【レポート】京都市の先生25名が体験!探究学習と類学舎の「探求」から考える、主体的・対話的で深い学び

先日、京都市の小中学校の先生方が集まる「探究Core研修」にて、類学舎の前学舎長・馬場が講師として登壇いたしました。

本研修は、京都市総合教育センターが主催する全3回の研修プログラムであり、テーマは「主体的・対話的な深い学びとは何か」を追求することです。第2回目となる今回は「探究事例ワークショップ」として、現役の先生方25名に「生徒役」となっていただき、類学舎で実際に行っている「探求」の授業をリアルに体験していただきました。

今回の授業テーマは「縄文時代に学ぶ持続可能な社会」。普段は教壇に立つ先生方ご自身が一人の探求者となり、提示された課題に対して仲間と知恵を出し合いながら、答えのない問いをどこまでも深めていく時間となりました。

「探究」と「探求」——類学舎が大切にしている学びの視点

学校教育の「総合的な学習(探究)の時間」などで親しまれている「探究」は、課題を設定し、情報の収集・分析・発表という一連のプロセス(探究サイクル)を通して課題解決力を育むアプローチです。

これに対して類学舎では、漢字の「求」をあてる「探求」に独自の焦点を置かせていただいています。

探究:課題設定から情報収集・分析・発表までの一連のプロセスを学び、課題解決能力を育むアプローチ

探求(類学舎):答えのない問いに対し、仲間と意見を重ね合わせながら「物事の本質や起源」に迫っていく姿勢や学びそのもの

類学舎の「探求」で特に大切にしているのは、単に意見を発表したり知識をまとめたりすることだけではありません。「相手の言葉を真摯に聴き、自分とは異なる視点を取り入れることで、自分の考えそのものが再構築されて深まっていく過程」です。

一人では到達できない発想や解を「仲間との共創」によって導き出す姿勢こそが、類学舎の探求の大きな特徴です。

主体的・対話的な学びを生み出す「チーム探求」4つの心構え

探求の授業を成立させ、子どもたちの自発的な探求心を引き出すためには、事前の「場づくり」と「共通言語」が不可欠です。今回の教員研修でも、ワークショップの冒頭で先生方に以下の「4つの心構え」を共有し、チームで追求するための土台を整えました。

① 聴き上手になって、チームを元気にする

発言している仲間に対して体を向け、相槌を打ちながら聴く姿勢を作ります。「自分の意見が受け止められている」という安心感(心理的安全性)があるからこそ、発言者は安心して新しいアイデアや素朴な疑問を口にできるようになります。

② 失敗は宝物。小さな挑戦をみんなで応援する

探求には「間違った意見」や「失敗」が存在しません。一見的外れに見える意見や小さな発想の転換こそが、議論を大きく飛躍させる宝物になります。全体発表や新しい視点の提示など、小さな挑戦をチーム全員で後押しする空気を醸成します。

③ 役割は自分で見つけてチームを支える

ファシリテーター、記録役、アイデア出しだけでなく、「雰囲気を和ませる」「議論が行き詰まった時に問いを投げ直す」など、チームを支える役割は多岐にわたります。指示されて動くのではなく、自分が今チームにどう貢献できるかを主体的に発見していく力を育みます。

④ 行き詰まったときは「そもそも」に立ち返る

議論が平行線をたどったり思考が停止したりした時は、「そもそもこのテーマの背景には何があるのか?」「何のために考えているのか?」という原点や起源に立ち返ります。視点を抽象化・本質化させることで、行き詰まりを打開する切り口が生まれます。

この4つの心構えを全員が共有した状態でワークに入ったことで、会場の空気は一変しました。先生方は即座に「教える立場」から「夢中で追求する仲間」へと切り替わり、会場の各グループで熱量の高い対話が巻き起こりました。

先生方が探求ワークに取り組む様子

リフレクション(振り返り)で出た先生方のリアルな声

授業体験の直後には、研修プログラムの一環としてリフレクション(振り返り)のワークショップを実施しました。教員というプロの視点と、生徒役として没頭したプレイヤーの視点の両方から、非常にリアルで深い声が上がりました。

体験を通じて実感した手応えと気づき

「『なぜ?』という問いを掘り下げることの重要性を、身をもって実感した」

「このアプローチと空気感があれば、子どもの好奇心や探求心が自然と引き出される」

「相手の言葉を聴くことで、自分一人では到達できなかったレベルまで考えが再構築されていく感覚が新鮮だった」

教育現場のプロだからこその悩みと疑問

一方で、日頃から学校現場で指導にあたる先生方からは、指導法や評価に関する率直な疑問も出されました。

「『話す・議論する』という対話の時間と、『知識をしっかり習得する』ことのバランスが難しい。本当に知識の習得や理解度につながるのだろうか?」

「初見の資料を見ただけで、実際の小中学生からこんなにも活発な意見や鋭い問いが出てくるものだろうか?」

「楽しく話し合う」だけでは終わらない|探求がもたらす本質的な学力

リフレクションで出された「知識の習得につながるのか?」「初見で問いが出てくるのか?」という疑問こそ、探求学習を現場で実践するうえで最も重要なテーマです。

類学舎が考える「探求」は、単に楽しくグループワークをして終わりにするものではありません。

縄文時代などの歴史的背景や社会課題を扱う際、単に用語や年号を丸暗記させるのではなく、「なぜ彼らはその選択をしたのか?」という本質的な問いを投げかけます。すると、子どもたちの中に「もっと知りたい」「裏付けとなる情報を確かめたい」という切実な知識へのニーズが生まれます。

問いの発生:「なぜ?」という疑問から仮説を立てる

情報の収集・分析:自分の仮説を検証するために必要な知識を自ら調べる

対話と再構築:仲間の意見を取り入れ、知識を統合して答えを導く

このプロセスの最大のメリットは、「思考する中で得た知識は、単なる暗記と異なり『実感』として脳に深く刻み込まれる」という点です。主体的な探求プロセスを経ることで、結果として教科の理解度が飛躍的に高まり、学業成績やテストの点数(確かな学力)の向上という副次的な効果にも直結していきます。

また、「子どもから意見が出ない」という課題に対しては、教員が「知識を教え込む・監視する」のではなく、「生徒を全面肯定し、行き詰まったタイミングで『そもそもさ…』と適切な切り口(問い)を与える」ファシリテーション技術が大きな解決策となります。

教員が「子どもたちの追求する力」を信じて場を整えることで、子どもたちは大人の予想を遥かに超える思考力を発揮し始めます。今回の研修は、先生方にとっても「教える指導」から「ともに問いを深める伴走者」へと意識を転換するきっかけになっていたら嬉しいです。

お問い合わせ・ご案内

教育関係者の皆さまへ(授業視察・教員研修・教育連携)

類学舎では、学校現場における探求学習の活性化やクラスづくり、ファシリテーション技術をテーマとした教員研修プログラムのご相談、学校教育との連携、授業視察を受け付けております。

「主体的・対話的で深い学びを実践的に取り入れたい」「類学舎の探求授業の様子を直接見学したい」とお考えの教育委員会・小中高校の教職員の皆さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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保護者の皆さまへ(見学・体験入学のご案内)

「プロの教育者も注目する『探求授業』とは、実際にどのようなものなのか?」
「子どもが自ら生き抜く力や思考力を身につける様子を見てみたい」

類学舎では、お子様と一緒に参加できる体験入学や授業見学を随時実施しております。仲間とともに対話し、答えのない問いに夢中で挑む子どもたちの姿を、ぜひ一度直接ご覧ください。

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